広丘分団は、松本市境から19号沿いに商業施設や住宅が並ぶ、広大な地域を管轄しています。近年はのどかな田園地帯が広がる一方で、工業地域が拡大するなど、商工業と農業の両面で発展を続けています。
それでも昔ながらの細い生活道路も多く残り、住宅密集地での火災では消防車の進入が難しいケースもあります。その際には、持ち運び可能な小型ポンプを活用し、迅速な初期消火を行います。地域をよく知る地元団員の存在は大きく、火元や水利(防火水槽・河川など)の情報を消防署と共有することで、現場での的確な対応につながっています。
松本空港の滑走路で行われる航空機事故を想定した訓練にも毎年参加しています。松本広域消防局や空港職員など、総勢200人近くが参加する大規模訓練です。広い空港での放水は、ポンプ車を使って中継を繰り返しながら送水する「中継送水」を行います。広丘地区では水利から火点までの距離が遠くなるケースもあるため、地域の有事にも直結する訓練となります。
ファミリーが多い地域。防災意識の向上を目指すイベントを開催
部によっては、詰所の空き地を利用して日頃の活動を労るBBQイベントを有志で開催しています。広丘分団は子育て世代が多いので、子どもやパートナーも一緒に参加しています。地域の同世代であっても、日常生活ではなかなか関われる機会は少ないものですが、知り合いが増えて親睦を深められる機会となっています。

消防署と協力し、防火・防災への意識を高めてもらう「体験型消防防災フェスタ」を開催しています。当日は、子どもたちや若い世代、子育て世代の方々にも楽しんで参加していただけるよう、さまざまな体験ブースを設けています。 子どもたちに消防車に乗車体験をしてもらったり、VRでの消火体験を楽しんでもらったりと、遊びながら学べる内容が盛りだくさんです。また、大人の方にもAED操作体験や煙体験などを通して、日常からできる備えを考えてもらうきっかけをつくっています。

塩原さん(小売店経営)
父が消防団に入っていたこともあって「この地域に住んでいるなら入っておいた方がいいぞ」と声をかけられ、ほとんど何も知らないまま入団しました。初めて定例会に参加すると、小さい頃から顔を知っている近所の方がたくさんいて、まるで近所のおじちゃんたちに囲まれているような雰囲気でした。 入団して良かったと思うのは、幅広い年齢・職業の人とつながれるコミュニティができたことです。消防団だからこそ出会えた仲間ばかりで、これからも大切にしたい関係です。 操法の訓練は正直つらい時期もありましたが、みんなで同じ目標に向かって頑張った時間は、今ではとても良い思い出です。その訓練のおかげで、有事の際に現場へ駆けつけたとき、消火栓からホースを取り出して、すぐに初期消火ができた経験もあります。
取材日令和6年7月19日