片丘分団は、塩尻市の北東部に位置する、広大でなだらかな丘陵地を管轄しています。農地が広がり、北アルプスの雄大な山並みや、眼下に広がる市街地などの、良好な展望も魅力です。
地域には田んぼが多く、大雨の際には農業用水が流れる用水路の氾濫などのリスクがあります。そうした被害に備えて、土のうの作成や、住民の方に向けた土のう作成講習会などで対策を講じています。また、細い道や入り組んだ地形が多い地域だからこそ、有事の際には、消火栓の位置や地域の地形をよく知る消防団員の存在が欠かせません。
地域の夏を盛り上げる「塩尻市大宮八幡宮例祭」では、迫力ある花火が夜空を彩りますが、その一方で近隣への火の粉による発火を防ぐため、消防団による警戒活動が行われています。冬の伝統行事の「三九郎」でも、地域ごとに組まれるやぐらの火を安全に見守っており、地域文化を支える活動にもなっています。
関係性の深いコミュニティ。地域産業にも頼られる存在
人口が少なくなっている地域のため、小中学校の保護者コミュニティや、お祭りの実行委員など、いくつもの地域コミュニティに所属している消防団員が多くいます。顔見知りが自然と増え、さまざまな場面でつながりが生まれることで、近所で声を掛け合い、いざという時に助け合える深い関係性を構築することができます。消防団としての活動だけでなく、地域の日常そのものを支える大きな力にもなっています。

片丘地域は田んぼが多く、米づくりが盛んです。その春の風物詩が「土手焼き」。田んぼの土手や畔(あぜ)に生えた枯れ草を燃やすことで、害虫駆除や土手の状態確認、土壌の整備につながります。一斉に土手焼きを行うため、消防団は地域からの要請に合わせて現場に向かい、延焼を防ぎながら火災予防に努めています。地域産業を守るための、大切な活動のひとつです。

藤澤さん(ケアマネージャー)
以前は県内の別自治体の消防団に所属していましたが、片丘に引っ越して生活するなかで、子どもの小学校で仲良くなったお父さん仲間から「一緒に操法大会に出よう」と声をかけてもらい片丘分団に移りました。
操法訓練では、みんなで一つの目標に向かって完成させていく達成感があり、地域を守るための訓練でありながら、まるで学生時代の部活動のような一体感を味わえます。
仕事と子育て、そして消防団の活動を両立するのは大変そうに思われるかもしれませんが、仕事や家庭優先という共通認識のもと、無理のない範囲で活動できています。
団員はとても気さくな方ばかり。地域の中で新しい仲間ができて、つながりが広がっていくのを実感しています。
取材日令和6年8月2日