北小野分団は、塩尻市の南東部に位置し、東側を岡谷市、南側を辰野町に接する地域を管轄しています。霧訪山の山麓に広がるこの地域は、豊かな自然に恵まれている一方で、土砂崩れや河川の増水、山火事など、地形特有の災害リスクを抱えています。そのため、隣接する辰野町の消防団と連携し、山林火災を想定した合同訓練を毎年実施しています。
さらに、塩尻消防署や広丘消防署から距離があるため、火災発生時には消防団による初期活動が非常に重要になります。地域をよく知る地元団員の存在は大きく、火元や水利(防火水槽・河川など)の情報を消防署と共有することで、現場での的確な対応につながっています。
地域活動においては、古くから受け継がれる小野神社の祭りをはじめとする文化活動の警戒活動にも当たっています。火が用いられる神事が数多く残されており、消防団が火災警戒にあたることで地域の安全を支えます。ほかにも「北小野保育園」の避難訓練に消防団が参加することで、子どもたちはポンプ車に触れながら、防災意識を高めています。
地域に馴染んでいく、きっかけとなる
世代や出身を越えた結束力の高いコミュニティが育まれています。移住者も多く、なかには消防団をはじめとする地域活動に参加し、地域を支える担い手として活躍している方も多くいます。多様な人々が力を合わせることで、地域の大きな原動力となっています。

小野神社を中心に、古くからの祭りや文化が大切に受け継がれています。火を用いる神事も多く、毎年1月6日に開催される「小野神社ねんじり棒祭」をはじめ、二基の「牛炬火(うしたいまつ)」が焚かれる「遷座祭」、お盆の迎え火である「どんぶりや」などが行われています。こうした行事の際には、消防団が火災警戒活動を行い、万一に備えています。地域の伝統を守りながら、安全・安心な暮らしを支えていることも、消防団の大切な役割のひとつです。

今井さん(会社員)
地域おこし協力隊として塩尻市に移住後、北小野地域に惹かれて、この地に引っ越してきました。入団のきっかけは御柱祭のお祭り後に開かれた慰労会で誘われたこと。「地域に知り合いを増やしたい」という思いから、その場で申し込みました。
入団後は歓迎の雰囲気があって、「消防団に入っている」と話すだけで地域の方との会話のきっかけにもなることが嬉しかったです。団員の皆さんと過ごす時間が増えるにつれ、だんだんと話せる関係になっていき、同年代の知り合いも増えて、北小野での暮らしがより楽しくなりました。
今後は、万が一の火災や災害時に、もっと地域の役に立てる存在になりたいと思っています。力仕事で貢献できる場面は限られますが、操法訓練ではホースの巻き直しを担当したり、ポンプ車の機械操作を覚えたりと、後方から支えられるよう努めていきます。
取材日令和6年10月1日