洗馬分団は、塩尻市西部に位置し、レタスをはじめとする葉物野菜やコメなどが育つ、美しい田園風景の広がる地域を管轄しています。
塩尻消防署や広丘消防署から距離があるため、火災発生時には消防団による初期活動が非常に重要になります。小曽部地域へ向かう詰所から最短ルートにあるトンネルは、消防車が通れないほど狭く、消防団のポンプ車がぎりぎり通行できるくらいの狭さです。消防署員が駆けつける前の初期活動が、地域住民からも期待されています。
さらに、住宅地と山が近接している地域もあるために、ひとたび火災が発生すると、山へ飛び火する危険性もあります。山火事の際、消火栓が遠い場合には、農業用灌水設備からホースを直結して放水することも多くあります。灌漑用水の発達した、優良農地ならではの消火活動です。灌水設備の場所は消火栓のように表示がないため、地元農家の方々に協力して教えてもらっています。水利から火点までの距離が遠くなるケースが多く、ホースの中継を繰り返しながら送水する「中継送水」を行います。
防災意識が高い地域。火災時は、消防団と住民が協力
洗馬地域は「みんなで地域を守っていこう」という意識がとても高い地域です。火事の際には119番通報をするだけでなく、地域の消防団員に自主的に声をかけたり、煙を見たOBが駆けつけたりと、協力して初期対応にあたることもあります。 また、2年に1回実施される地区の防災訓練では、消防団が消火器の使い方や消火栓の操作方法を指導することで、地域で万が一に備えます。

馬第5部では、松本空港で行われる航空機事故を想定した訓練に参加しています。松本広域消防局や空港職員など、総勢200人近い関係者が一斉に臨む大規模な訓練です。 過去の訓練では、着陸時にエンジンから煙が上がり、緊急脱出を試みた乗客が負傷したという想定のもと、放水活動を実施しました。広い空港での放水は、ポンプ車を使い、中継を繰り返しながら送水する「中継送水」となります。この中継送水の技術は、洗馬地区で山火事が発生した際にも重要です。

伊藤さん(会社員)
消防団には父が入っていて、火災や災害が起きるとすぐに出動していく姿を見て「すごいな」と幼心に思っていました。
私も入団してみて改めて感じたことは、住んでいるだけでは面識のない人も多いのだということ。すぐにさまざまな年代の方との繋がりができて、知り合いがとても増えたのが良かったです。
洗馬地域では、2年に1回の防災訓練を行っていて、地域の皆さんと一緒に炊き出しをしたり、消火栓の使い方を学んだりしています。防災意識がとても高く、消防団への理解もある地域なので、活動しやすいと感じています。
近年は火災だけでなく、地震や暴風雨など、さまざまな災害のリスクが全国的に高まっています。洗馬地域でも高齢世帯が増えているなか、「いざというときに、できるだけ早く現場に駆けつけたい」という意識があります。
取材日令和6年9月24日