宗賀分団は、塩尻市のほぼ中央に位置し、多様な地形や暮らしの特徴を併せ持つ地域を管轄しています。中心市街地に近い居住地域もありながら、ブドウ畑が広がるのどかな桔梗ヶ原や、国道19号に沿った木曽方面へと続く山あいの集落まで、環境はさまざまです。国史跡に指定されている「平出遺跡」や、中山道の面影を色濃く残す宿場町の「洗馬宿」や「本山宿」など、歴史と文化の息づく場所が点在しています。
また、宗賀地区を囲む山々は急峻であり、火は上に向かって燃え広がる性質があるため、ひとたび火がつくと一気に山の上部まで延焼してしまうおそれがあります。消防署からも距離があることから、火災の初期対応では消防団の迅速な活動が欠かせません。
さらに、キノコ採りや山菜採りのために山へ入った方の遭難救助活動が求められることもあります。里山の地形や道を熟知している地元の消防団だからこそ、迅速に対応できる場面も少なくありません。
サークル活動のように仲の良い団員たちのオン・オフ
「昔からの知人に誘われて入団した」という10代の方や、「地域に馴染みたいから入団した」という移住してきた30代の方など、さまざまな方が入団しています。
趣味が合うと分かれば、一緒に釣りやキャンプに出かけたり、詰め所でゲームを楽しんだりと、サークルのような活動も生まれています。団員自身も、地域に仲間が増えることを喜んでいます。

多くの特徴を併せ持つ宗賀地区では、さまざまな想定で訓練をしています。
山火事の想定訓練では、キャンプ場にある林道の登り勾配を利用して、ホースの中継を繰り返しながら送水する「中継送水」を行います。
また、宿場町は木造建物が密集することから火災リスクが高く、かつて大火を経験したことから、住民と消防団が協力して火災想定訓練を行うなど、地域全体で防災意識を高める取り組みが続けられています。
そのほか、与えられた情報をもとに、行方不明者に見立てた団員を地域から探し出す行方不明者の捜索訓練もありました。

Mさん(公務員)
市役所へ転職し、家を構えたことをきっかけに、「地域のために何かできることをしたい」と考えるようになりました。知り合いのいない地域に引っ越したこともあり、「少しでも顔見知りが増えたら」という思いから、入団を決めました。
団員の多くは地元の方ですが、最初からとてもあたたかく迎えてもらえたのが印象的でした。プライベートでも一緒に食事に出かけたり、家族ぐるみで遊んだり、有志で旅行に行ったりと交流が広がっています。年上の団員が多く、近所に頼れるお兄ちゃんができたような感覚です。
団員それぞれに家庭や仕事があり、毎回すべての活動に参加できるわけではありません。それでもできる限りの日程で参加するなど、無理のない形で支え合っているので、気軽に参加してみてほしいです。
取材日令和6年7月16日