消防団を知ったきっかけを教えてください。

消防団に興味を持ったきっかけは、就職活動をしていた時期に「父はどんな気持ちで仕事をしているんだろう」と考えたことでした。父は消防士なのですが、これまであまり仕事の話を聞く機会がなかったんです。そんなとき、街でふと目に入った「消防団募集」のポスターを見て「消防士と名前が似ているけど、消防団って何だろう?」と思い、父に聞きました。

父からは「消防団は、消防士と同じように、地域の人たちの安全を守るために活動している組織だよ」と教えてもらいました。言われてみると、普段から消防団の詰所の前を通ることもあって、活動する姿を見たことがありました。

入団に際しては、消防署の職員である父に相談しました。

そこから、なぜ消防団に入団しようと思ったのですか?

父からは「今は女性の団員も増えてきているし、活躍する場面も増えているから、きっといい経験になるよ」と背中を押してもらいました。テレビなどを通して、災害現場では女性だからこそ力になれる場面があることも知っていました。

あと、これまで地域のことをあまり深く知らなかったのですが、「消防団に入ったら、地域が見えてくるかもしれない」と思ったんです。「私も地域のために、やってみよう」と入団を決めました。

消防団に入ってみて、いかがでしたか?

入団前は、なんとなくハードルが高そうなイメージがありました。でも、塩尻市の危機管理課に連絡すると、思ったよりスムーズにすぐに入団できましたし、やってみたら興味深いことの連続でした。

活動への参加も、自分の生活スタイルに合わせて無理なく続けられています。予定があるときは活動を休むこともありますが、団員同士で「お互いさま」という雰囲気で支え合いながら活動できるのが、消防団の良いところだと思います。

どのような活動をしていますか?

普段は、毎月15日の「市民防火の日」に行う火災予防の広報活動をはじめ、地域の防火設備の点検、ポンプ操法大会に向けた練習、地域の方と連携した訓練などをしています。

普段はおだやかな塩尻市ですが、いざというときには火災現場出動や、行方不明者捜索活動、台風・豪雪・地震などによる災害出動も行います。緊急連絡網で出動要請のメッセージが来るので、それを確認して現場に駆けつけています。

総合訓練では、三角巾の巻き方をみんなで練習しました。

印象に残っている活動について、具体的に教えてください。

例えば火災予防の広報活動では、朝にサイレンを鳴らして注意喚起を行い、夜8時には消防ポンプ自動車で地域を巡回しながら「火の用心」を呼びかけています。

また、「操法」の練習では、私は選手ではなく補助員として参加しています。選手を支えながら、チーム全員で大会に向けて目標を共有し、練習を重ねていく時間はとても充実していました。

消防団に入って、役立ったと感じることはありますか?

火災に対する意識が大きく変わりました。勤務先の学校で「こんなところに消火栓があるんだ」ということに気づいたり、「ここで火事が起きたら、こんなふうに動くかな」などと考えたりするようにもなりました。

また、消火や救命の知識を身につけたことで、万が一のときにも対処できるようになって、自分に少し自信がついた気もします。消火栓に繋いだホースから放水できたときや、自家用車よりも大きな消防ポンプ自動車を運転できるようになったときは嬉しかったです。

父とも消防の話をする機会が増えました。「今日、消防ポンプ車を運転してきた」と話すと「すごいじゃん」って声をかけてくれました。

団員同士の関係性はいかがですか?

大学で消防団に入る前は、私は大学と家の往復の生活でした。しかし消防団員になってからは、多くの繋がりができました。

私と同じ20代の方から、面倒見の良い30、40代の先輩方、そして頼れる50代の方まで、普段の生活ではなかなか出会えない方々と話ができて楽しいです。同じ地域に住んでいるという共通点があるので、気さくに話せるコミュニティを築けていると思います。近い世代の人たちとは訓練後に飲みに行くこともあります。

詰所で休憩中。みんなで談笑して過ごしています。

三村さんは有事の際の活動経験はありますか?

火災現場への出動を経験しました。消防署の後方支援として現場に入り、消火栓の場所を案内したり、水の確保を行ったりしました。

その現場で、消防士として活動していた父と顔を合わせました。消火活動が終わったあとに声をかけてくれて、「お疲れ様」と言葉を交わしたときは、とてもほっとしました。

消防団は、地域にとってどんな存在だと思いますか?

私たち消防団は、地域の方にとって身近で、頼られる存在になることができます。地域の地理や人について深く知っていますので、消防署の職員に伝えられる情報もあります。

私は生まれ育ったこの地域が好きです。有事の際には、地域のために動ける役割を持てていることは、やりがいに繋がっています。

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消防団に入らなかったら、出会えなかった人たち

中学校の英語教師である団員に、入団をきっかけに得られた地域のつながりを聞きました。